ヒストリア 歴史の中の隨泉寺

ヒストリア

隨泉寺は正式には真言宗智山派 光明山 無量寿 院隨泉寺といいます。
このページでは仏教の伝来から真言宗智山派の歴史と
隨泉寺の歩みを紹介したいと思います。

今から2500年程前、インドで生まれたお釈迦様の教え
仏教(大乗仏教)は、中央アジアを通って中国、朝鮮半島を経て、
飛鳥時代の538年に日本に入ってきました。

聖徳太子は推古天皇とともに仏教を日本に広めました。
十七条憲法には『篤く(あつく)三宝を敬え、
三宝(さんぽう)とは、仏・法・僧なり。』という条文があります。
奈良時代 仏教は国の平和を祈るための存在で、
東大寺、国分寺・国分尼寺などの大寺院が建立されました。

弘法大師空海は留学僧として遣唐使船に乗って唐の国に渡りました。

平安時代 唐の高僧恵果阿闍梨(けいかあじゃり)に学んだ空海が日本に密教を伝え、真言宗を開き 816年に高野山を開創しました。 平安時代後期まで仏教は国家の安泰を祈る教えとして、朝廷に保護されました。 その一方で、弘法大師・空海は日本で初めての 私立の教育機関である「綜藝種智院(しゅげいしゅちいん)」を開設したり、 日本最大の灌漑用ため池である満濃池(まんのういけ)の改修工事を指揮したり、 民衆のために力を尽くしました。

935年 平将門の乱 各地で政治が乱れて武士が起きました。 平安後期から鎌倉時代の不安定な時期、浄土信仰が広がり、 仏教は民衆の一人一人を救済する目的に移り変わっていきました。 12世紀 興教大師(こうぎょうだいし)覚鑁(かくばん)は 密教と浄土教を融合し和歌山の根来寺(ねごろじ)に、新義真言宗を展開しました。

南北朝の後、室町時代に入り社会はしばらく落ち着きを取り戻しましたが、 まもなく各地の武将が天下統一を狙って下剋上の世に入りました。 戦国時代の最中 1542年11月9日頼誓上人によって 阿弥陀如来を本尊として隨泉寺が開山しました。 この時の板碑が隨泉寺に残っています。 また、徳川家康が生まれたのがこの年です。

1585年豊臣秀吉は、勢力を持った根来寺を焼き討ちしました。 その時の指導者の一人玄宥能化(げんゆうのうけ)は京都、 もう一人専誉能化(せんよのうけ)は奈良のお寺で新義真言宗を守っていきました。

関ヶ原の戦いに勝った徳川家康は江戸に幕府を開きました。 檀家制度の基盤ができ、民衆の生活に深く仏教が入っていきました。

幕府は寺社奉行を置き、人々をいずれかの寺院に登録させることで 仏教と民衆を管理しようとしました。 江戸中期 世の中が安定し庶民の生活も豊かになって寺社詣も盛んになりました。

幕末から明治維新 大政奉還によって天皇に政権が返上されると、 神道重視の政策によって廃仏棄釈がおこり、寺院は大きな打撃を受けました。 明治33年、政府の認可を得て新義真言宗智山派、新義真言宗豊山派という宗名を 公称することになりました。

昭和26年宗教法人法が制定され、「真言宗智山派」として位置づけられ今日に至ります。

大正12年 関東地方に大地震が襲いました。隨泉寺も被災しましたが、 これを機に、庫裡(お坊さんが居住するところ)の茅葺屋根を瓦葺屋根に葺き替えました。

弘法大師ご生誕千二百年記念事業として客殿・庫裡が建立され、 その後境内地の拡張、多生門(裏門)の建立、土塀工事など山容を整備してきました。

平成4年、開山450年を迎え、大本堂、書院を建立しました。

隨泉寺は開山以来真言密教の道場として、 済生利民(あらゆる人々を救済する)の役割を果たし、 この郷土とこの地に住む人々とともに歩んできました。 昭和49年、平成4年に当寺の建物や設備を大規模整備拡充し、 後世に残る寺容にできましたのはご本尊阿弥陀如来のご加護と みなさまの厚いご支援ご協力の賜物と深く感謝しております。 これからもその精神を大切にして開かれた寺、心のやすらぎを求められる寺として 精進を重ねていきたいと思っております。

慈しみの輝き

隨泉寺が所蔵する仏像、掛け軸、彫刻などをご紹介します。

左:金剛界曼荼羅は金剛頂経(こんごうちょうきょう)という   密教の経典の世界を絵画で表現したものです。 右:胎蔵界曼荼羅は大日経(だいにちきょう)という   密教の経典の教えを絵画で表現したもので、大日如来の真理を表しています。

右:お釈迦様が修行の末修得された悟りの教義が仏の教え、すなわち仏教です。 左:真言宗の開祖、弘法大師空海です。

四天王は仏法の守護神で、東を守る持国天、南を守る増長天、 西を守る広目天、北を守る多聞天を指します。

左:興教大師は平安時代後期の真言宗の僧、真言宗中興の祖といわれ、新義真言宗の始祖です。 右:弘法大師空海は平安時代初期、唐で密教を学び日本に帰って真言宗を開いた高僧です。

本堂の欄間にみられる彫刻の数々

不動明王は煩悩を焼き尽くし清らかな心に私たちを導いてくれます。 大変恐ろしい姿をしていますが、その心は人々を救済しようとするやさしい慈悲に満ちています。

この世に生まれてこられなかった赤ちゃんを、現世の父母に代わって守ってくれるのが水子地蔵です。

六地蔵はそれぞれ地獄、餓鬼(がき)、畜生、修羅、人間、天の6つの世界にいて、 そこで苦しんでいる人を救ってくれます。

隨泉寺

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